植物燃焼で生じる煙成分に含まれる生理活性化合物カリキンの受容体KAI2の制御様式を構造生物学的に明らかにした宮川拓也准教授を共責任著者とする研究論文が、Nature Communications誌に掲載されました
植物を制御する生理活性化合物(Plant Growth Regulator; PGR)には、まだまだ私たちが知らない謎が多く残されています。その中でもも新しく発見された化合物であるカリキン(KARs)は、森林火災(山火事)などで生じる煙の成分でありながら、植物の発芽を促進させる活性などを持つことが近年明らかとされており、山火事からの森林再生などにおいて重要な役割をしているのではないか、と考えられていますが、植物細胞内での実際の化合物構造を始めとして、多くの未解明の謎が残る興味深い化合物です。
この度、当研究室の宮川拓也 准教授、朱張亮 研究員(Zhangkianh ZHU)、 中野雄司 教授、は、浅見忠男 東京大学特任研究員(兼:横浜市立大学客員教授、東京大学名誉教授)、王建文 同博士(研究当時:同博士課程学生)、高橋郁夫 同特任研究員らによる共同研究グループは、KARsの受容体KAI2を選択的に阻害する最初の化合物を開発し、その結合様式を明らかにしました。
本研究の化合物を用いて得られた知見を応用することによって、多様な作物におけるKAI2受容体の機能を解明することで、作物の生育を促進させたり、ストレス耐性を高めたりといった、作物の潜在的な能力を引き出すことが期待できます。
本論文は、国際学術誌 Nature Communications に掲載されました。
京大本部HPのプレスリリース記事に詳しい解説を書いていますので、こちらも是非ご覧ください。
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-01-24-0
Identification and structure-guided development of triazole urea-based selective antagonists of Arabidopsis karrikin signaling. (アラビドプシスのカリキンシグナル伝達の選択的阻害剤トリアゾールウレア型化合物の創製)
Jianwen Wang # 1 , Ikuo Takahashi # 1 , Ko Kikuzato 1 , Toshihiko Sakai 1 , Zhangliang Zhu 1 2 , Kai Jiang 1 3 , Hidemitsu Nakamura 1 , Takeshi Nakano 2 , Masaru Tanokura 1 , Takuya Miyakawa 4 5 *, Tadao Asami 6 7*
1 Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo, Tokyo, Japan.
2 Graduate School of Biostudies, Kyoto University, Kyoto, Japan.
3 School of Life Sciences, Yunnan University, Kunming, China.
4 Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo, Tokyo, Japan. miyakawa.takuya.7j@kyoto-u.ac.jp.
5 Graduate School of Biostudies, Kyoto University, Kyoto, Japan. miyakawa.takuya.7j@kyoto-u.ac.jp.
6 Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo, Tokyo, Japan. asami@g.ecc.u-tokyo.ac.jp.
7 Kihara Biological Institute, Yokohama City University, Yokohama, Japan. asami@g.ecc.u-tokyo.ac.jp.
# Contributed equally.
*T.M. and T.A. contributed equally to this work. * Author for correspondence
Nature Communications, 16, 1, 104. (2025)