ブラシノステロイドのシグナル伝達経路上の低緑化変異体の原因遺伝子BPG1の機能解析に関する論文が、 Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 誌に掲載されました
ブラシノステロイド欠損変異体や生合成阻害剤Brz存在下の明所条件で生育した植物は、子葉や本葉の緑化促進形態を示すことに着目し、Brz耐性低緑化変異体BPG1(Brz-insensitive-pale green1)を単離し、その変異原因がクロロフィル生合成酵素DVR(3, 8-divinyl protochlorophyllide a 8-vinyl reductase)の遺伝子破壊であることを突き止めました。さらにこのBPG1/DVRを含む10種近いクロロフィル生合成酵素遺伝子の発現が、ブラシノステロイド生合成阻害剤Brz処理によって誘導されることを明らかにしました。これらは、ブラシノステロイドによる植物緑化制御機構の解明の重要な手掛かりとなると考えられます。
これらの成果は、博士課程1回生(D1)の立花諒くんを第一著者とし、理研、北海道大、東大、お茶水女子大、との共同研究論文として、Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry誌に掲載されました。
Tachibana,R., Yamagami,A.,Miyagi,S.,Nakazawa-Miklasevica,M., Matsui,M.,Sakuta,M.,Tanaka,R.,Asami,A.,Nakano,T.
BRZ-INSENSITIVE-PALE GREEN 1 is encoded by chlorophyll biosynthesis enzyme gene that functions in the downstream of brassinosteroid signaling.
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 86 (8), 1041-1048 (2022)
DOI: 10.1093/bbb/zbac071